地震対策には家財の転倒防止が必須
■家具の転倒防止
さて、震度6強や震度7の烈震では、家屋の倒壊が免れて家の外観に異常がなくても、建物の中ではテレビが飛んだり食器が割れたり家具が倒れたりして滅茶苦茶になってしまう事があります。大きな家具や電化製品が飛ばないよう地震対策の一つの方法として転倒防止策をしておく必要があります。
いくつかの方法がありますが、阪神淡路大震災の経験から多くの事がわかってきました。タンスや食器棚などの大きな家具は、寝ているところへ倒れると頭を打ったり押しつぶされ圧迫死の危険があります。地震対策の方法としては転倒防止に効果のある商品が通販などでも販売されていますので、それらを使用することをおススメします。
以下は家具など地震対策向けの転倒防止方法の例です。
・ポール式
家具の両側の側板部に取り付け天井と家具を押す形で固定します。お手軽に取り付けられるのが特徴です。但し、震度6強以上の激しい揺れが続くと耐えられない場合があります。他の方法と複合的に使うようにすると良いでしょう。
・吊りタイプ
紐やロープ、ワイヤーなどで壁と家具を引っ張って固定する地震対策の方法ですが転倒防止には烈震には向かないとされています。家具は重量もあり、大きく揺さぶられると外れてしまう恐れがあります。
・耐震マット
タンスや本棚の下に敷いてすべりだしを防止し転倒しにくくします。価格も安く手前角に2箇所以上敷くと効果が期待できます。
ゲルタイプのマットでは、大きな揺れにも衝撃を吸収するすぐれものです。見た目より強力に揺れを吸収する効果が発揮されます。
アート引越センターでは、耐震粘着マットを、引越時に無料(耐震粘着マット代は実費となります)で設置するサービス「アートのプロセブン」というのを実施しています。
引っ越し時にして貰えるので女性やお年寄りで家具を持ち上げたりするのが難し場合に便利です。
・L字金具止め
壁と家具をL字型の金具などで固定する方法です。簡単なネジ留め作業が必要ですが激しい揺れにも効果は大きいです。費用は一番安く済みます。家具や壁にネジで穴を開ける事になるので敬遠される方が多いようですが、命には代えられないでしょう。
このように家具の転倒防止策としてはいくつかの方法がありますが、複合的に利用するなど一つの方法を過信しないようにしましょう。また、できれば家具が無い部屋か、倒れても大丈夫な距離を測って就寝するのがベストです。
■テレビの転倒防止
大地震では大型テレビでも数メートル飛んだという話を聞きます。重さに関係なく大きな家財は倒れたり吹っ飛んだりするのです。地震対策に大型テレビも転倒防止策をしておくことが必要です。
大型テレビは重量があり飛んできたテレビが体に当たると相当な衝撃です。頭やお腹を直撃したらダメージは大きく命の保障もできなでしょう。阪神大震災でも飛んできたテレビが当たって怪我をされた方が居るとよく聞きます。
転倒防止策としては、
・低い位置への設置
TVは低い位置に設置すると万が一飛んでも衝撃が弱くなり被害もやや少ないでしょう。
高いところから落下すると当然その重量だけの衝撃が増し危険です。
・耐震マットの使用
家具にも使われている耐震シートなどの商品を利用するのが有効です。
材質はウレタン樹脂、イソブチレン樹脂などでできていて接地面が粘着性のある柔らかい材質です。パソコンや他の家電にも使えABS、PS樹脂との相性が良く、はがすときもキズが付きにくくなっています。
耐震マットは、色のついているものや透明なものがあります。大きさや厚みはいろいろあり、家電・家具の重量に合わせたものを使用します。
転倒防止に適切な条件として、耐震マットや耐震シートなど粘着シート、粘着性を利用して転倒を防止するにはためには、シートがしっかり貼りつくことが条件として必要です。家具やテレビでも床やテレビ台に置いている場合はフローリングやクッションフロア、プラスチック樹脂製や凹凸がない台などで使用します。カーペットや布地の上だと剥がれてしまい効果は期待できません。
■食器棚の転倒防止策
大地震では台所の被害も深刻でした。食器が全部落ちて割れたという話は被災者の殆どの家庭で聞く話です。食器の割れには、お皿等ではシートを敷いて重ねるなど工夫する事で地震の被害を最小限に抑える事ができます。食器棚そのものは、他の家具と同じようにL字型金具で留めたり、耐震シートや耐震マットを利用します。
但し、観音開きの食器棚の場合はガラス扉が開いて食器が飛び出したり、ガラスが割れたりする事があります。保護シールを貼っておくと割れてもガラスが飛散せず安心です。
地震で揺れて扉が開かないようにするには以下のような方法があります。
・ロープで抑える方法。
・鍵で食器扉の開閉を防止し、食器類が飛び出すのを防ぐ方法。
・大きな地震の揺れを感知して、観音開きの扉の上に取り付けたロックバーが飛び出し開き戸が開かないようガードする方法。
お値段が高くなりますが、食器棚そのものが耐震対策されて商品も販売されています。
また、和風の食器棚は引き戸式で食器が飛び出す確率は殆どありません。昔からの知恵でしょうか?
このように阪神淡路大震災の時に食器が割れて飛散した経験から、いろいろな転倒防止やガラスの飛散防止方法が考えられてきました。
地震対策グッズとしても通販などでも様々な商品が販売されています。巨大地震はいつやってくるか予測は困難です。普段から震災に備える事が重要です。
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