地震対策にBCP計画の導入

■地震対策として中小企業のBCP導入
地震は予告なく突然やってきます。台風などと違い事前にその発生と到達時間を予知することは現在の技術ではまだ不可能です。中小企業でも緊急事態に備え地震対策としてBCP計画を導入しておく事はとても重要なことです。BCPは英語のBusiness Continuity Planの略です。もしもの時に迅速に有効な手段を打つ事が出来れば、経営基盤の脆弱な中小零細企業でも被害を最小限に食い止め廃業にまで追い込まれるリスクを軽減できるはずです。
事業を縮小し従業員を解雇しなければならない状況も考えられますが、生き残りをかけそういった事態は防ぎたいと考えるのが社長や社員の願いです。
大地震の被害により倒産や事業縮小を最小限に防止するためには、普段から万全なBCPを作成準備しておき、緊急時に事業の継続・早期復旧を図ることが重要になります。

日本人はアメリカやヨーロッパと違い人情を優先する気質があり、過去のいくつもの大災害時にもお互い助け合って乗り越えて来ました。例えば、自分の会社の製造機が震災で使えなくなったら、同業の競合他社にも協力を仰いだり、逆に手を差し伸べられたりして生産を継続し納期に間に合わせたという話は山ほどあります。しかも契約書で取り交わす事も無しに守秘義務や顧客の奪い合いなどもなく自然に進められていったのです。このような風土は欧米諸国から見ると考えられないそうです。
しかし、これから来る阪神淡路大震災を上回るかもしれない東南海地震には予想もつかない心理が働く事も考えられます。
中小企業間のネットワーク網を張り、きちんとしたBCP計画を作成し、互いに地震対策として備える事は必須の体制作りと言えます。

■オフィスの地震対策BCP
地震が発生する時間は予測が付きません。社会活動は常に進行しています。家庭、学校、職場など我々は繋がって生活しているのです。それが突然、大地震などの自然災害で止まってしまったら大変な経済損失、生命の維持などに影響してくるのです。
そうならないためにも地震対策は必須で、防災グッズを備えたり緊急避難場所を確保したり、消防や警察、自衛隊などの連携も必要でしょう。
企業では、オフィスなどでもBCPを導入して万全を期しておくべきです。

▽オフィスのレイアウトBCP
事務机や書棚の向きなどレイアウト変更で、転倒した時のデスク着席位置へ物が落ちたり飛んでこないようにします。書棚は、家庭の地震対策と同じ転倒防止金具を取り付けたり、引き出しが飛び出してこない仕組みのデスクにしたり、通路に物を置かない、重いものは下に置く、窓際に高い棚を置かないなど。

▽コンピューターの地震対策
現在の企業の殆ど全てはコンピューターが導入されそれに深く依存しています。もし、これが破壊された時のダメージは相当大きくなると予想されます。十分な地震対策としてパソコンの転倒防止やサーバーのデータバックアップ、分散システム化なども検討が必要です。
・オフィスのパソコン
パソコンは転倒防止マットを敷いてずり落ちたり、転倒を防止します。日々のデータは個人の作業データはDVDに保存して保管したり、業務データはサーバー側でバックアップします。個々に万が一を考え整整頓の気持ちが必要です。多くのオフィスワークの方はこれができていません。今一度、体制を整えるようBCPマニュアル化が必要です。

・サーバーの地震対策
タワー型などは転倒防止マットや、地震時に衝撃を吸収できるラックに載せるなどの方法があります。ラック式は床を固定し揺れに対して衝撃を吸収する堅牢なラックにマウントする方法があります。そして、多くの地震で経験する停電に対しては無停電電源装置を必ず取り付け、自動でシャットダウンできるようにする必要があります。
重要なデータはテープやカートリッジにバックアップし、安全な場所に保管する方法や、遠隔地のバックアップサーバーにネットワークを通じて保存する方法などがあります。費用と効果を考え最良の方法でBCPを検討する必要があります。

本社などのオフィスは地震対策を十分にし管理統制ができる体制づくりをして置かないと企業活動の継続が困難になり、最悪、倒産まで追い込まれる可能性があります。日本では、遅れているオフィスのBCPを早急に進めていく事が求められるでしょう。

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